子ども大好き！！

四つの力を育てよう

この詩集を作るきっかけをくださった

恩師の金子好子先生に感謝を込めて

子どもの幸せのために日々奮闘しておられる

先生方に敬意を込めて

子どもの毎日の笑顔を大切にしておられる

保護者の皆さんに連帯の思いを込めて

読者の皆様へ

　僕は、すべての子どもが毎日笑顔で暮らせる社会にしたい、と思って詩を書いています。しかし、そんな社会は子どもたちの周りに居る大人たちが幸せでないと実現しない、と思うのです。だから、すべての子どもとすべての大人の幸せのために詩を書いています。

　いじめ、児童虐待、引きこもり、自傷行為、自殺、万引き、援助交際、性犯罪、暴力事件、放火事件、殺人事件、……。子ども社会で今起こっている問題は、子どもが表現しているこれらの事象に加えて、モンスターペアレント、ネット暴走、経済格差、教育格差、などの大人社会から流入した問題もあります。

　僕は、いじめや自殺などをなくすための具体的な詩を何篇か書きました。しかし、前段のすべての問題については書いていませんし、今後書き上げることができるとも思っていません。僕が、僕の詩でしようとしているのは、一つ一つの問題の早期解決の取り組みと同時にするべきだと考えている、根本の問題を解決する取り組みです。

　僕の考える根本問題は、愛することと優しさについての問題です。正確に言うと、愛することと優しさの欠如が根本問題だと思っているのです。個々の問題に対する対症療法は、緊急避難として必要だと思います。しかし、根本の問題である愛と優しさの欠如に対する取り組みを同時にしない対症療法では、モグラたたきゲームのモグラのように出現してくるすべての問題を、完ぺきに処理することはできないと思うのです。だから僕は、根本治癒を目指す取り組みとして、愛せる力と優しさを身に付けることの大切さを、詩という表現で訴え続けているのです。

　僕の詩をよく読んでいただけたら分かると思いますが、誠実ということが僕の詩の背骨になっています。一人の人間が、誠実な生き方を通して人間として成長していく。その誠実な生き方の中身として、他者への誠実な係わりもあり、その係わりの中でお互いを支え合い高め合うということがあります。そういう有り様の多数化が、社会全体の精神的な質を高めていくと考えているのです。そしてこの誠実というものが、愛と優しさの根源だと思っています。

　僕は、詩はしょせん詩でしかないと分かっているつもりです。しかし、僕自身が幾つかの詩に心を動かされたように、力のある詩は読み手の心を動かすことを確信しています。そんな強い思いを込めて、一篇一篇の詩を誠実に書いています。

　子どもが幸せになるためには、人間として生きて行くための力を身に付ける必要があります。その力が「四つの力」だと僕は考えています。そしてそんな力を育てるのが“愛と優しさで寄り添う教育”だと思うのです。この思いを教育詩集としてまとめ上げたのが、今、手に取っていただいている『子ども大好き！！　四つの力を育てよう』です。

　この詩集には、既発表の264篇の詩から選んだ63篇に新作54篇を合わせた117篇の詩が入っています。その内容は、①先生に読んでいただきたい、教育機関での教育についての詩。先生とは、保育所、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専門学校、支援学校、フリースクール、教育委員会、文部科学省などにおられるすべての先生です。②保護者の皆さんに読んでいただきたい、家庭での子育てや教育の詩。③先生や保護者から、子どもたちへ読むように勧めていただきたい詩。となっています。

　この詩集が、先生や保護者の小さな支えになればと願っています

　この詩集が、沢山の子どもたちの笑顔に役立てばと願っています

髙木いさお

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