２０２３年９月

某日＞随分前からですが、店で飲むアイスティーが「薄味だなあ」と思うようになりました。紅茶の味がしっかり出ていないのです。もちろん色も薄いです。かつての半分の薄さの味と色だから半額になった、ということにはなっていません。値段は珈琲と同じでどんどん上がってきました。

　先日は京都の有名高級ホテルでアフタヌーンティーをごちそうになりました。その時にドリンクとしてアイスティーを注文しました。運ばれてきたアイスティーは、僕の人生で一番薄いアイスティーでした。「えっ！これが高級ホテルのアイスティー？！」と驚きました。

　その日から２度、別々の店でアイスティーを飲みました。あの有名高級ホテルを超える薄さではありませんでしたが、やはり薄いアイスティーでした。思い起こせば2年前の初夏に大阪の紅茶専門店で飲んだアイスティーも薄いものでした。

　こんなふうに薄過ぎるアイスティーになったのはいつ頃からなのでしょうか？ 　紅茶も飲みますが、珈琲党の僕はいつからアイスティーが薄くなりだしたのか分かりません。でももしかしたら、ペットボトルの紅茶が出始めた頃からかもしれないと想像しています。だってペットボトル紅茶は甘さも紅茶の味も控えめだと思うのです。製造費用を安くするためか、多くの消費者の好みに合わせているのか、僕には分かりませんがペットボトル紅茶が出だした頃が怪しいと思うのです。

　そしてもしかしたら、ペットボトル紅茶の出現が店のアイスティーの薄さの始まりになったのかもしれません。ペットボトル紅茶を飲み慣れた人たちが店でアイスティーを作る側になって、これぐらいがアイスティーの味だと思って作っている可能性がありますよね。 

某日＞この秋、46年ぶりに２度目の個人写真展を開催することになりました。紅葉が盛りの京都での開催なのでわくわくしながら準備をしています。

　“髙木いさお『詩と写真のポストカード』写真展”の開催が決まった時、ポストカードが28枚では少し少ない気がしたので、あと８枚追加制作することにしました。割と急いで作業を進めたのですが、バラエティーに富んだ８枚に仕上がりました。

　しかしこの８枚は写真展で初公開することにして、それまでは非公開にします。だってわざわざ来場してくださった方々に、今までに見たことのある作品だけだと申し訳ないですからね。

某日＞電話でしたが、その方と話したのは約50年ぶりでした。20年前に初めての詩集を出版した時から、その方に詩集を読んでいただきたかったのですが、その方の連絡先を僕は知らなかったのです。

　９月のある日、ある人に連絡先を教えていただいてやっと電話をすることができました。電話で話しだした途端、「いさおさんに会いたかった！」と言われました。僕の記憶では、その方と会ったのはたった一度だったのですが、その方の話では３度会っていたのでした。

　電話を切った後、その方が「生きていてよかった！」と思われたことを、後日ご本人から伺いました。（この方とは10月に会う約束をしました。）

　その電話の翌日、いろいろあって約25年間会っていなかった、亡き母の妹である叔母さんに会うために同じく約25年連絡をしていなかった娘である従妹（いとこ）に電話連絡しました。そして翌週、京都市伏見区へ93歳の叔母さんに会いに行きました。

　生まれてから７年近く一緒に暮らした叔母さんは、僕を抱き締めて「明日死んでもええ！」と言われました。

　このお二人に会おうと思ったのは、僕が半年後には70歳になるからでした。70歳になったらいつどんなことで亡くなるかもしれないから、会っておきたい人には会っておこうと思ったのです。結果、お二人から驚くような言葉をいただきました。

　すごく喜んでいただけたので、お二人に連絡してよかったです！。

某日＞昨年秋にお送りした『好きな詩アンケート』が、ある方から１年後に届きました。詩集『愛する心に優しい花が咲く』の中からベスト５＋プラス５の10編を選んでくださったあとのコメントに、『「あなたがいない」と「大切なあなたを失ったから」を読むと亡くなった父母のことを思い、いつも泣いてしまいます。』という内容が書かれていました。

　このアンケートが届いた日には添人の道子さんから、「『愛する心に優しい花が咲く』を読んだ〇〇さんが、『118ページから先に進めない。泣いてしまって。』と言われていたいたよ。」と聞きました。118ページの詩は「あなたがいない」です。

　同じ日に、詩「あなたがいない」を読んで泣いてしまう、というお二人のことを知りました。

　実はこの詩を書いた僕も、「あなたがいない」を読んで泣いてしまうときが時々あります。

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