某日>お久しぶりです。皆さんお元気でしたか?
僕は昨年、いつものように8月6日を発行日として10冊目の本を出版しました。『こどものためにあいうえお』〈改訂版〉です。旧版を絶版にしましたが、その旧版の焼き直しと考えたら正確には9.5冊目なのかもしれません。しかし、英訳文を付けて、漢字入りの一覧そして詩も追加して、内容が大きくグレードアップしました。作りも「無線綴じ」というただの糊付けから「糸かがり綴じ」という丈夫なものに変えました。そして新しい書籍コードの付いた本ですから、10冊目の本と言わせていただきます。
この本は、写真詩集であると同時に写真絵本でもあります。小さな子どもさんから少女少年や若者や大人、そしてお母さんお父さんからおばあさんおじいさんまで、老若男女に喜ばれる本だと思っています。特に英訳文を付けたことで、従来の「日本の子どもが日本語の入り口である“ひらがな”を覚えながら、同時に人間としての生き方も学べる本」から、「世界中の子どもと大人が、日本語と人間としての生き方を同時に学べる本」になったと思います。ご自身のために誰かのために、最高のプレゼントになるはずです。沢山沢山の皆さんに、お手元に置いて繰り返し読んでいただけたらと願っています。
ところでこのしじん月記は、3年半休んでいました。長い間書けない状態でしたが、「70歳まで詩人としていろんなことをしたい。その後の3年間は残った家族などに迷惑をかけないよう終活をする。そのあとも生きていたら、オマケの人生として何をするか考える。」という以前からの計画だと、あとたった4年間しかないと思ったのです。と言っても派手なことをするわけではなく、淡々とできることをしながら、読者の皆さんと関われたらと思っています。
本当に、10冊目の詩集を出版できたことに感謝しています。何人もの方が仕事として僕と子ども出版を支えてくださいました。何千何万という読者が僕の詩を読んでくださいました。多くの書店員の皆さんからご支持とご親切をいただきました。そんな沢山の方々に感謝する気持ちであと少し頑張りたいと思っています。
僕の詩が大好きで応援してくださっている皆さん、これからもよろしくお願いいたします。
某日>本当にどうなっているのだろうか?、と思います。僕の詩集は子どもの幸せを願って出版している詩集なので、いじめや児童虐待、自殺などの事件に関わる組織へお送りすることも多いのです。僕から詩集をお送りすることもあるし、子ども出版から詩集を送ってもらうこともあります。送り先は、個人もありますが、学校や教育委員会、地方自治体へ送ることも多いのです。組織へ送る場合には、宛先は校長先生や教育長、市長さんなどにしてお送りします。ところが、手紙とともに詩集をお送りしても返信がほとんどありません。返信をくださる方は、1割ほどだと思います。9割の方が、「届きました」とも「必要がないので着払いで返送します」とも言わずに放置なのです。朝の校門で子どもたちに挨拶をする校長先生などの様子をテレビでよく見ますが、子どもたちに挨拶と返事の大事さを教えているはずの教育関係者のほとんどが、返事をしてこられないのです。いじめやいじめ自殺がなくならない理由の一つが分かるような気がします。子どもたちを教え導く大人たちに、誠実さが欠けていることです。美しい言葉を口にするだけで、実際は自分が良い人、立派な人に見られることを目指して動いておられる方が多いのだと思います。それにしても1割は少な過ぎます。せめて半分の方が返信してくださるようになれば、と思うこの頃です。
追記。
先日、ヨーロッパの某国の駐日大使が署名入りの返信をくださいました。(そのお手紙の日本語訳も同封されていました。)『こどものためにあいうえお』〈改訂版〉のご感想と、この本を広めるための送り先が書かれていました。本当に驚き、感動しました。お忙しい中でもこのように誠実な対応をされる方がいらっしゃることに胸が熱くなりました。