２０１２年７月

　僕だって、嘘をついたりごまかしたりすることがあります。でも、自分のためにそれをしてはいけない、と思っています。他者に誠実に生きることが、自らの良心に従って誠実に生きることが、しんどかったり遠回りになったりがあるとしても、結局は幸せな生き方だと思っています。
　大津市だけではなく、全国でいじめ事件が起こっています。最近だけのことではなく、ずっと前からひどいいじめ事件が続いています。自殺も３万人以上が14年間も続いています。児童虐待はどんどん増えているようです。
　何かできる人が何かしていたら、できる立場にある人が誠実な対応をしていたら、こんなにひどい状態が長く続くことはないと思うのです。先生だけの不誠実ではないし、教育委員会の人だけの不誠実でもないし、保護者だけの不誠実でもないと思います。もちろん、警察の人や役所の人だけの不誠実でもないでしょう。きっと、沢山沢山の人たちの不誠実が、これらの問題の解決を遠ざけているのだと思っています。
　世の中を良くすることはそんなに難しいことではない、と僕は思っています。自分の幸せだけを考えないで、みんなで一緒に幸せになることを考えて行動する。ただそれだけで世の中は良くなると思うのです。
　でも、この「自分だけ」や「自分の家族だけ」という壁は、見えない壁だから他者には壊せないのです。だから、問題の解決に誠実に取り組んでこなかったあなたにお願いします。自分の壁が、自分を守っているのではなく、自分を閉じ込めていることに気付いてください。みんなと幸せになれるのに、自分独りの寂しい世界に閉じ込められていることに気付いてください。そして気付いたら、優しい笑顔で毎日を送る自分になるために、誠実に生きる道を歩み始めてください。
　みんなが誠実に生きることが、みんなで幸せに生きるということなのですから。

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