2011年8月6日、広島のマツダスタジアムでの斉藤とも子さんの朗読は素晴らしかった。8月6日の広島で、詩「8月6日」を朗読することの意義を理解されていただろうし、約3万人の前でという緊張感もあったでしょう。だからなのか、テレビで見ていてもすごく感動しましたし、繰り返し見ても感動する朗読でした。
僕の詩は、映像的な詩ではないので、読者が目で文字を追いながら考えを深めていく、というような詩だと考えていました。ですから、朗読には向かない詩だと思っていたのです。
ところが、斉藤とも子さんの朗読を見た友人や読者の方から、「素晴らしかった!」「すごかった!」「涙ぐんでしまった。」などの感想が届いたのです。
あれからずっと、僕がしたいとは思わないのですが、僕の詩の朗読の可能性について考えています。詩を読んでいただくことと、詩の朗読を聴いていただくことを、どう組み合わせていけばいいのだろうかと。
そんなことを真剣に考えさせるほど、8月6日の斉藤とも子さんの朗読は素晴らしいものでした。