今年の6月はいろいろありました。
厳密に言えば6月ではないのですが、5月28日発売の女性誌『月刊MORE7月号』の特集「心が元気になる詩」の10篇の詩の中に、僕の詩が選ばれたので、ほぼ6月中、僕の詩が全国の書店やコンビニで購入可能でした。「楽しい人生、最高の人生」という『愛することと優しさについて』の中の1篇でした。この他の9篇の作者は、金子みすゞ、茨木のり子、岡本太郎、黒田三郎、吉野弘などの著名な方々だったので、そんな中に僕の詩が並んでいることに少し驚きました。でも、〔昨年は、テキサス州の日本語スピーチコンテストの暗唱課題詩に、谷川俊太郎氏と共に選ばれたからなあ〕と思い出しました。
若い頃にはいろんな詩人の詩を読んでいましたが、この30年以上、他者の詩を熱心に読むことはしなくなりました。久し振りに他者の詩を読んで、〔やっぱり僕の詩は僕の詩だなあ〕と思いました。
6月6日、朝日新聞朝刊の大阪府内版に、僕の詩「東日本大震災の詩4篇」が米英に広がっている、という記事が出ました。カラー写真付きのB5サイズの記事だったので、僕の友人、知人、愛読者の方々が喜んでくださいました。ただ僕としては、取材を受けたのが3月24日だったから、〔3月中に、4篇の詩全部を載せた記事として出してほしかったなあ〕と思ったのでした。
急に決まったのですが、6月10日にNHKの広島県内のニュースで、僕の詩「8月6日」を日本語で朗読する米国テキサスの高校生たちの様子が放映されました。朝の6時台と7時台の2度、同じ内容での放映でした。担当記者さんから後日送っていただいたDVDを見ました。朗読してくれた高校生の中のN君が最後にコメントしていたように、広島平和記念公園で「8月6日を忘れてはいけない!」という内容の詩が外国の若者たちによって朗読されたことの意義は大きいと思います。
6月14、15日の『詩の合宿』は、無事に終わってほっとしました。昨年末から連絡を取り合うようになったテキサスの高校の日本語教師のM先生に、アメリカ人高校生との『詩の合宿』を提案したのは僕でした。「2011年6月に約2週間訪日する高校生のほとんどが、2010年のテキサス州日本語スピーチコンテストの暗唱課題詩に選ばれた高木さんの詩を学んだ生徒ですから、彼女ら彼らに直接会っていただきたいのですが…」とM先生から言われた時、すぐに『詩の合宿』を思い付いたのです。
アメリカ人男性と結婚され、約20年間テキサスに住んでおられる日本人のM先生が一緒に来日されるとは言え、英語については中学一年生程度の能力しか持ち合わせていない僕です。そんな僕と日本語を2、3年学んできた若者たちとで、詩について語り合うことが可能だろうか、と不安98パーセントなのに一泊での交流を提案しました。コミュニケーションが困難だからこそ時間を掛けてお互いの思いを伝え合わないと会う意味がない、と思ったのです。
結果は、一泊で大成功でした。17、18歳の女性6名男性2名の皆さんの名を覚え、8名全員が僕の詩を朗読してくれたのを見聞きし、一緒に食事をしたり、温泉や湖畔遊びを楽しんでいるのを見せてもらったりしました。そんな一泊二日の『詩の合宿』を終えて感じたことは、僕が詩に込めた思いがきちんとアメリカ人の若者たちに届いている、ということでした。しっかり読んでもらったら、世界中の人々に届く詩を僕は書いているんだ、と確信できました。
本当に大きなことが四つも重なった6月でした。