2011年8月6日、読者から子ども出版に電話がありました。初めてお話しする方でした。その方は、「今までに読んだ本の中で一番の本でした!」とおっしゃり、『愛することと優しさについて』を友人のためにと5冊注文してくださいました。
今までに何人もの方々から同様の感想をいただきましたが、実は僕自身もそう思っているのです。僕は読書が大好きですが、いわゆる読書家というほどの人間では全くありません。それでも小学校の低学年から読んできたので、50年間読書を続けています。その50年間に読者として読んだすべての本の中で、一番他者に薦めたい本が『愛することと優しさについて』という詩集です。自分で書いた本を一番の本として薦めることに抵抗を感じる方もおられるでしょうが、一人の読者として、一人の人間として、心の底からそう思っているのです。
話はがらっと変わりますが、そんな『愛することと優しさについて』を含む6作品を出版し続けることが難しくなっていました。今までは、子ども出版というミニミニ出版社というかパーソナル出版社から詩集を出してきました。ところが経済的なことと人的なことなどで、2010年、2011年と、2年続けて新しい詩集を出せませんでした。
そんな状況が変わる気配もまったくないので、9月上旬に東京の出版社へ、詩集と資料を添えて手紙で詩集出版のお願いをしたのです。何人もの読者の方々だけではなく、僕自身も一番の本だと思っている僕の詩集が、今のままの状態であることに耐えられないし、僕の沢山の詩をもっともっと多くの皆さんに読んでいただきたいと思ったのです。
1ヶ月以上返事を待ちましたが、10月下旬に編集者のAさんが面談をしてくださり、12月1日の企画会議に僕の詩集出版の企画を提案してくださいました。
2011年12月1日の14時22分に編集者のAさんから、「企画が無事に通りました。」とメールが届きました。僕のメジャーデビューが決まったのです。これで、大きなパワーで僕の詩を日本中世界中へ広げていただけることになりました。2012年4月に僕は58歳になり、詩作50年目に入ります。そんな記念すべき年にメジャーデビューできることに、大きな意義も感じています。
ただ、出版の条件として、今までお断りしてきたテレビ出演などの顔出し取材をOKすることになりました。幾つかの理由があってお断りしてきたのですが、大きな出版社にお願いして詩を広めないと僕が詩を書いている意味がない、と考えて大きな決断をしたのです。『その2』の中の「僕の略歴」という詩を書き換えないといけませんが、今と比較にならないくらい沢山沢山の皆さんに詩が届くのですから、正しい判断をしたと思っています。
新しい詩集は、4月下旬に出版される予定です。内容は、「東日本大震災の詩4篇」や「8月6日」などの新しい詩を加えたベスト詩集になります。タイトルには『愛することと優しさについて 第1章』というのを考えています。『愛することと優しさについて』と同じ内容ではありませんが、僕の再スタートを飾る中身ぎっしりのすごい詩集にします。きっと、一番薦めたい本になると思います。今までに出版されている詩も、文言をさらに磨いてから入れますので、これまでの読者の皆さんにも新しい詩集で僕と一緒に再スタートを切っていただけたらと思っています。よろしくお願いいたします。