昨年の8月初めから紀伊国屋書店京橋店で始まった「高木いさおフェア」が、この8月を越えて9月に入っても続くことになりました。売れ数は徐々に減っているようなので、いつ突然に終了となるか分かりません。でも、1ヶ月間の予定で始まったフェアが14ヶ月目に入っても続いているなんて奇跡的なことです。昨年のフェア開始時に、フェアの場所を見て驚きました。その場所がJR側から書店に入って一番目立つ所だったからです。文芸書部門の一番良い場所に僕の詩集が並んでいたのです。そんな書店さんのおかげで、沢山の読者の皆さんと出会うことができました。そして、その出会った読者の皆さんの支えが、フェア14ヶ月目突入という小さな奇跡を生んでくれました。近くのコーナーでは、この13ヶ月間に幾つもの本が入れ替わりました。短いものは1ヶ月もなかったように思います。有名な著者の本でも3、4ヶ月だったでしょうか。それなのに、僕の詩集たちが14ヶ月も頑張って居続けたのです。この事実が2つの確信につながりました。1つは、僕の詩が僕の思っている以上の力を持っていること。もう1つは、そんな詩の力をきちんと感じ取ってくださる読者が沢山おられることです。「表現は簡明だが中身は深い」と言われる僕の詩を支持してくださる読者の皆さんのためにも、これからも中身のある詩を書き続けていきます。
子ども出版というミニミニ出版社をつくり、詩集を出版し始めて丸3年になりました。その前の1年半は、他社から第1詩集を出版しての1年間と、その詩集を絶版にして新たな出版社を探す半年でした。ですから、今年の夏で詩集を出版するようになって4年半になりました。その4年半で6冊の詩集を出版し、合わせて1万部以上を読者の皆さんへお届けしました。そうなんです! この夏、1万部突破となったのです。6冊の詩集と言っても、第1作の他社版は、2冊目の『愛することと優しさについて』<携帯版>と同内容ですから、作品としては5作品となります。4年半前には、ある出版社の方に、「無名の詩人の詩集は書店に置いてもらったとしても1部も売れないのですよ!」と第1作目の原稿を前にして言われました。自ら何作かを出版する内に、その方の言われたことが事実であることを知りましたが、僕の作品は静かに売れ続けたのです。この月記を初めから読んでおられる方はご存じでしょうが、僕の本は、全国に1万7000ほどある書店の内の30くらいの書店にしか常備されていないと思います。もちろん、1万7000書店からの注文は可能ですし、各ネット書店からの購入も可能です。しかし、全国区の詩人でないことは事実なのです。でもそんな僕の「1部も売れない」と言われた詩集が、たった4年半で1万部も売れたのです。よほど有名な著者でない限り、1000部刷った詩集が売り切れるということはないようです。賞を取ったことのあるような詩人でも、出す詩集出す詩集が完売そして増刷とはいかないのですから。そういう訳で、1万部突破の知らせがあった日は赤飯を炊いて祝いました。次の目標は5万部突破です。読者の皆さん、よろしくお願いしますね。
僕は、すごく嬉しいことがあったときには、赤飯を炊くことがよくあります。それだけではなく、嬉しいことがありますように、と祈りを込めて赤飯を炊くこともあります。そんな赤飯を「招福赤飯」と呼んでいます。何か願い事があると、〔いつか実現するよ〕とおとなしく待っているときもあるのですが、時には〔よし、引き寄せよう!〕と強く出るのです。そんな時によくするのが招福赤飯を炊いて食べることです。結果はどうあれ、待っているだけではなく、引き寄せようという強い思いを持つことも、時には必要だと僕は思うのです。