2008年10月

~いろいろ回りました~

 

 10月は9月に引き続き、学校や教育委員会を回りました。新刊『子ども大好き!! 四つの力を育てよう』の活用をお願いに行ったのです。多くの先生にお会いして、すべての子どもの幸せのために、とお話しました。この本は、まず先生方に読んでいただき、そこから保護者へ、そして子どもたちへと詩の活用を広げてほしいと考えて作りました。だからまず、できるだけ多くの先生にじっくり読んでいただきたいのです。そんな思いをお会いしてくださった先生方に聞いていただきました。ほとんどの方が熱心に話を聞いてくださったので、たいてい安心して帰途につきました。あと2、3の所へ伺ったら、もう思い付く所はないので“いろいろ回り”は終わります。その後は、詩作に集中しての生活に戻ります。僕は、会えば会ったでよくしゃべるのですが、初めての方との会話はすごく緊張します。お別れしたとたんにヘロヘロになることも多いのです。やっぱり、読みたい物を読んで、書きたい物を書いて、というのが僕には一番です。

~若い人に古い名作映画を観てほしい~

 

 久し振りに小津安二郎監督の『東京物語』を観ました。脚本、演技、映像の素晴らしさに感動しました。10回は観ていなくても5回以上は観た映画です。それでも感動しました。もしかしたら、回を重ねる方がより深い感動になっているかも知れません。僕は面白かった映画は2度観ます。それでも面白かったら3度目を観ます。そして、3度以上の観賞に耐えた映画が“僕の好きな映画”となるのです。最近、と言っても10年以上のことですが、3度の観賞に耐える映画がほとんどありません。真実味のない脚本、作られた演技、作り過ぎた不自然な映像。そんなもので作り上げられた映画が多過ぎます。最近の若い人は、テレビのCMで見る映画や雑誌に紹介されている映画しか観ないようです。古い名作映画などは観ないようです。映画愛好家の僕としては、残念で仕方ありません。多くの人が古い名作映画を観ないから、DVD化されていなかったり、レンタル店に並んでいなかったりします。最近の駄作は、どの店にも多数並んでいるのにです。たぶん来年末くらいに、僕の観た映画が1万本に達します。20年くらい前から、1万本になったら映画の本を書こう、と思っていました。どんな本になるか、また、いつ頃出るのかはまったくの未定ですが、“僕の好きな映画”から選んだ必見の名作映画を100本位紹介したいと思っています。もう少し詩集が売れないと、来年の詩集も出せそうにないので、僕の映画本は夢で終わるかも知れませんが、何とか実現させたいものです。そして、その本を片手にしてレンタル店の通路を歩く若者と、僕はすれ違いたいのです。

 

 

 

~紀伊國屋書店京橋店でのフェア終了~

 

 本当にありがとうございました。2007年8月から1ヶ月の予定で始まった高木いさおフェアが、2008年10月で終了しました。15ヶ月という長い長いフェアになりました。買ってくださった読者の皆さん、立ち読みしてくださった皆さん、お世話になった書店員の方々、心から感謝しています。フェアというような大きな展開をしていただいたら、こんなにも売れるんだということに、僕自身も驚きました。やはりダントツで『愛することと優しさについて』<携帯版>が売れたのですが、続編の『その2』と合わせて、京橋店1店で1000冊以上売れています。何十万部も売れたベストセラー本も半年か1年でパタッと売れなくなります。というより、驚くような宣伝費を投入して、半年か1年でバーッと売るというのがベストセラー本の作られ方のようです。そんな本などとは真逆の、宣伝費など投入しようにも投入するものがまったくないという子ども出版の本が、しっかり展開していただけたらずっと売れ続けるのです。<携帯版>は、京橋店で3年連続の詩集部門の年間売れ数第1位です。この1年間は『その2』が第2位でした。売れている本がいい本だとは思いません。どういう仕掛けで売れているのか、ということがあるからです。だから、特別な仕掛けなどなしにフェアが15ヶ月も続いたことに、大きな自信をいただきました。僕の詩が多くの方の心にきちんと届いているという自信です。時折いただく熱心な読者の方々のお手紙同様、“フェア15ヶ月”は僕の宝物です。皆さん、本当にありがとうございました。

 

 

 

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