2007年6月

 

某日> 昨年の6月は、『雲のある風景』の原稿を仕上げ、印刷・製本会社へ出稿という忙しい月だった。今年の6月は、5月に出稿した『愛することと優しさについて その2』の校正作業で緊張の月になった。何とか頑張って校正を済ませ、出来上がった詩集が届いたのが6月下旬。喜んで見てみたら、指定した余白がとれていないので印刷からのやり直しとなった。もったいないので、何か使い道はないかと考えたが、数が数なのでどうしようもなくて、カバーや帯など使えるものを使うことにして、中身は裁断処分となった。二度とこんなことがないようにと、印刷・製本会社に丁寧な仕事をお願いした。

 

某日> 何年前からかは忘れたが、添人に白髪を抜いてもらっている。10年近く前からかも知れない。初めは半年位に1度くらい抜いてもらっていたが、最近は2ヶ月に1度くらいになっていた。抜いてもらう本数も、初めは100本足らずだったのが、昨年くらいからは200本くらいになっていた。抜く方も大変だし、抜き過ぎて髪の量が少なくなるのも嫌だから、この春から、すごく目立つ所にあるものを適宜抜いてもらうだけで、原則は抜かないことにした。53歳、という年齢にしては髪が黒い方かもしれないが、チラチラと白髪の見える頭になった。少し前から、晩御飯に食べる焼き海苔を3枚から4枚に増やしている。


某日> 新作『愛することと優しさについて その2』は、いつもの詩集と同じように発行日を8月6日にしている。しかし、実際の発売日は6月末か7月初めを予定していた。ところが先に書いたように、仕上げがうまくいかなかったので、7月中旬近くに出来上がることになった。それなら、ということで発売日も発行日に合わせて8月6日にした。緊急発行した『こどものためにあいうえお』以外の作品は、8月6日発行だし、これから出すすべての作品も8月6日になる。先月の月記にも書いたが、何年か後には『ヒロシマ』か『ヒロシマ・ナガサキ』という詩集を出すつもりをしている。ただの発行日だ、と思われるかも知れないが、忘れてはいけないことは忘れてはいけないのだ、というメッセージを8月6日発行に込めているのだ。読者の皆さん、8月6日を忘れないでください。『その2』は、本体1000円+税です。近くの書店で予約してくださいね。子ども出版発行です。

 

某日> 『愛することと優しさについて その2』の中に「旭屋書店本店」という詩がある。僕はホームページの中にも書いたことがあるが、僕の作品と読者の皆さんをつないでくださる書店員さんに、いつも感謝している。だからこの詩のタイトルについては、「A書店」にした方がいい、と考える方もいらっしゃると思う。ではなぜこのタイトルにしたのか。①この詩は、前の7篇と合わせて、仕事について書いた詩だ。職人気質の書店員さんの仕事ぶりを紹介したかった。彼女たちの仕事ぶりと対極の仕事ぶりの、本がホコリをかぶっていても平気、本を探す客には端末機で応対、作品の中身を考えずに売れる本だけを大切にする“困った書店員さん”に読んで考えていただきと思って書いた部分もある。約35年前の素的な書店員さんが今おられるかどうかは知らない。だが、昔、旭屋書店本店にはそんな方がおられたのだ。その現実を、具体的なタイトルでリアルに表現したかった。 ②この詩の最後の2節にある“夢”という言葉に対して、それが実現したというリアルさを出すために、具体的な店名をタイトルにした。以上2点がこのタイトルにした理由説明です。タイトル名の書店さんだけにゴマをするような僕ではありません。そのことは、『その2』1冊でも通読していただければご理解いただけると思います。

 

 

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