某日> と言うか、4月4日は女優・杉村春子の命日だ。8年前に彼女は死んだ。僕は映画における役者の演技力を重視している。作品のリアリティーは、第一に役者の演技に掛かっている。そういう演技をどう引き出すかが監督の腕だと思う。監督は、音楽や美術も含め、すべての要素を合わせて観客に訴えるのだが、第一に役者のリアルな演技を引き出せないと駄目なのだ。と言うと、監督が上で役者が下、と聞こえるかもしれないが、僕はそうは思っていない。それを実証してくれたのが杉村春子だ。かつて彼女の演技に泣かされたことがある。ストーリーに関係なく、彼女の演技の素晴らしさに感動して涙を流したのだ。で、最高の演技賞として『杉村春子賞』と言うのを、僕一人で決めている。今のところ受賞者は2人しかいない。女優のグレン・クローズと男優の岸部一徳だ。この二人は、どんな映画に出てもきちんと演技をする。どんな監督であっても最高レベルの演技をする。泣かされたことは無いが、いつも感心させられる。2人は最高の役者である。
某日> 枚方市から、『詩を読み考え語る会』が感謝状をいただいた。昨年6月の佐世保での小6女児同級生殺害事件を契機に、「まず地元で子ども達のために何かしよう!」と教育委員会や全保育所・幼稚園・小学校に詩集を寄贈したり、抜粋版を50~150冊渡したりしながら働き掛けたことが認められたのだ。もちろん佐世保市の教育委員会にも詩集を贈り、活用をお願いした。事件の起きた大久保小学校の校長先生からのお礼の言葉も伺った。
某日> 詩集『愛することと優しさについて』をより多くの人々に届けるために、地方出版社である編集工房ノアさんでは無理があると判断し、A5のノア版を昨年末絶版にした。全国的に展開できる出版社からのB6携帯版の詩集を考え、いくつかの会社に詩集を送って企画出版の提案をしてきた。読みもしないで断ってくる会社もあったが、今回、K社の社長さんから「検討に入りました」の電話をいただいた。志のある、スタンスのしっかりした出版社なので、すごく嬉しかった。詩集をじっくり読んでいただき、出版を決めてほしい。